中原こどもクリニック 

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  三種混合ワクチンとポリオ不活化ワクチンが一緒になった四種混合ワクチンの登場で、三種混合ワクチンの製造は終了となりました。今後は三種混合ワクチンが未接種の場合は、たとえポリオワクチンが接種完了していたとしても、ポリオワクチンを含む四種混合ワクチンを接種することになります。しかし安全性に関しては確認済みで心配ありません。

 四種混合ワクチンは、百日咳菌、ジフテリア菌、破傷風菌(二種混合はジフテリア菌、破傷風菌)、ポリオに対するワクチンです。

  • 百日咳:小児の感染症発生動向調査において、平成1年〜8年の間に2424人の百日咳患者が報告され、このうち23人(0.9%)が死亡しており、怖い病気の一つです。

  • ジフテリア:ジフテリア感染にて気道閉塞をきたし、さらに心筋炎、呼吸麻痺、神経炎等の症状を合併することがあり、現在においても死亡率は5%弱(加藤達夫、1999年)であり、怖い病気の一つです。

  • 破傷風:破傷風菌は我々の身近に存在しており、一度感染すると致死率(海老沢功、1999年)は、1歳未満で76%、1歳〜10歳は47%と非常に高く、怖い病気の一つです。

  • ポリオウイルスの典型的な感染症が小児麻痺と言われているものです。全身の筋肉が麻痺してしまうとても恐ろしい病気です。

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  • 注射後注射部位にしこりが残ります。これは免疫を高めるために使われたアルミニウムが、一時的に皮下に沈着してできるものです。2〜3カ月残ることもありますが心配はありません。

  • 第I期すべてが終わるまでに、約40〜50%の人が接種後1〜7日に接種部が赤く腫れます。これはワクチンに含まれるいろいろな成分に対するアレルギー反応で、数日すると良くなるのでそれ程心配いりません。痛みがどんどん増したり、肘を越えて腫れたりした場合は念のため再受診をしてください。また、以前に腫れたことがあれば必ず申し出てください。

  • 接種後2日以内に37.5℃以上の発熱が2〜3%みられます。発熱した場合は再受診してください。

  • その他、アナフィラキシー、脳炎・脳症(0.24人/100万接種)などがみられますが極めて希です。

  • 百日咳に関しては、I期終了後6〜10年もすると多くの人の免疫は低下してしまい感染する可能性がありますが、現行の予防接種は最も重症化しやすい乳児期の罹患を予防することを目的としています。

  • 二種混合が終了した後、ジフテリアに対する免疫効果は10年程(佐藤吉壮、2000年)続きます。

  • 二種混合まで終わらせれば、破傷風に対する免疫効果は15歳くらい(海老沢功、2000年)まで続きます。