中原こどもクリニック 

HOME > HB

B型肝炎ワクチンとは

全世界では、約3億人がB型肝炎ウイルスに感染し、それに関わる病気で、毎年約60万人が死亡しています。日本では、B型肝炎ウイルスの感染者は約100万人(約100人に1人)と推定されています。B型肝炎ウイルスに感染し慢性肝炎になると、長期にわたる治療を要し、最悪の場合は肝硬変や肝臓がんなどの命にかかわる病気を引き起こします。キャリア(ウイルスを体内に保有した状態)の母親からの感染予防は現在日本で行われておりますが、近年、父子感染や感染経路不明で乳幼児がB型肝炎ウイルスに感染する例が増えており(毎年大人を含めて2万人以上がかかっていると推定)、母子感染予防だけでは、対策が不十分と言わざるをえません。B型肝炎ワクチンの定期接種を行っている諸外国に習い、日本でもB型肝炎ワクチンの全員接種が望まれます。
 

B型肝炎ワクチンは「肝臓がん」の予防ワクチン

B型肝炎ウイルスに感染すると、一部の人がキャリア(持続感染:ウイルスを体内に保有した状態)となり、キャリアのうち約10%の人は慢性肝炎を発症し、肝硬変、肝臓がんへと進行する危険性が高くなります。肝硬変になると3人に1人が肝臓がんを発症しています。肝臓がんはがんの中でも死亡率が高く、がん全体の死亡者のうち男性で14.3%(第3位)、女性で8.6%(第4位)を占めています。その割合は、この30年で3倍にもなり、今後も増加が予想されています。B型肝炎ワクチンは、キャリア化を防ぎ、将来、肝臓がんから命を守る「がん予防ワクチン」なのです。

接種時期と接種回数

母親がB型肝炎ウイルスキャリアである場合は、出産した医療機関で接種(公費)スケジュールの指示があります。母親がキャリアでない場合は、任意接種(自費)で生後2か月から接種が可能です。1回目と2回目の間隔を4週間あけて接種、その後2回目から16~20週あけて3回目を接種(合計3回)します。その後1〜2カ月して血液検査にて抗体をチェックし、十分な抗体が得られないときは4回目の接種が必要とされます。ワクチンの効果は5〜20年前後とされており、10〜15年後に追加接種されることが望まれます。
 

 平成28年10月にB型肝炎公費予防接種スタート

念願のB型肝炎の公費予防接種が開始となります。日本におけるB型肝炎の撲滅も夢じゃなくなります。

対象:平成28年4月1日以降に生まれた人(それ以外の方は従来通り自費)