中原こどもクリニック 

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平成26年10月1日より水痘ワクチンが定期接種となりました。但し3才未満の人が対象です。最低3ヶ月間隔(推奨は6ヶ月です)を開けて2回接種します。今までに自費で水痘を接種した人はその接種も接種回数に含めます。3才になるまでに2回接種しなければなりませんので、接種間隔をよく考えながらスケジュールを立てて下さい。
 
接種前に「水痘予防接種を受けるに当たっての説明.pdf」をよく読んでおいて下さい。

黄色ブドウ球菌やA群溶連菌による水疱部の細菌性二次感染症(とびひ)を起こすことがありますが、水痘は一般的には軽症と考えられています。しかし1988年〜1995年の水痘ワクチン導入以前の米国において、年間400万人の水痘患者があり、うち1万人が何らかの理由で入院し、約100人が死亡していました。実は意外に怖いのです。新生児、乳児期後半、13歳以上、アトピー性皮膚炎を持っている人、喘息を持っている人、妊婦、ステロイド療法中の人などは重症化しやすい傾向にあり、注意が必要です。多くは希ですが以下の合併症を忘れてはいけません。

  1. 神経系:急性小脳失調、脳炎、ライ症候群、脊髄炎、末梢神経炎、視神経炎
  2. 呼吸器:肺炎
  3. 感覚器:網膜炎
  4. 泌尿生殖器:急性糸球体腎炎、睾丸炎
  5. 循環器:心筋炎、血管炎
  6. 運動器:関節炎

 

ゼラチンを含まないワクチンに移行したため、副反応は殆どみられなくなりました。
 

水痘ワクチン接種後水痘に罹った場合、ワクチン接種をしないで水痘に罹った場合と比較すると、将来帯状疱疹になる可能性は1/10に減少すると言われています。ワクチン接種を1回接種しても約半数が水痘にかかりますが、この場合非常に軽く、早く治ります。もっとしっかり予防したければ、日本小児科学会が推奨しているとおり、2回目3ヵ月〜12ヵ月後に接種した方がいいでしょう。また水痘ワクチンは、緊急接種としても使われています。水痘罹患者との接触後72時間以内なら約50%予防できるのです。打っておくと罹った場合でも軽症で済みます。是非覚えておきましょう。